ルート営業の仕事で残業代は認められる?

2018年1月23日1,195 view

ルート営業

残業したのに残業代をもらえない…これは労働者の権利を侵害しています。残業代を払われていない労働者は労働基準法によって残業代を取り戻せるのですが、ルート営業のように社外での仕事が主になる場合はどうなるのでしょうか?

営業だから残業なんて関係ないと思っている、みなし労働時間制だから残業代は出ないと言われて諦めかけている方は必読です。

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1日8時間以上、週40時間以上働いている人
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  • サービス残業・休日出勤が多い
  • 年俸制・歩合制だから、残業代がない
  • 管理職だから残業代が出ない
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ルート営業の仕事で残業代は認められます

ルート営業の仕事であっても所定労働時間を越えて働けば残業代の対象になりますし、そのほかの割り増し手当もしっかり受け取ることができます。どうしても営業職は事務職のように「働いた時間が給与になる」という感覚が薄く、残業代は不要だと勘違いしている経営者が多くいるのも現状です。

悪質な場合は意図的に残業代を支払わないようにしている一方、必ずしも経営者が故意で残業代の不払いをしているわけでない点も分かったうえで残業代請求を行いましょう。

営業だろうと雇用契約なら残業代がもらえる

営業のように成果が給与にかかわる仕事で残業代をもらえる理由はとても簡単で、営業の仕事が雇用契約だからです。

労働基準法は労働者として雇われている人に広く適用されている法律である以上、正社員やパートといった契約の種類や、事務職や営業職といった職種による壁がありません。大切なのはあなたが労働者であるかどうかです。

特にルート営業は訪問先が決まっているため歩合制でないことも多いですから、労働時間が一定となることも考えられます。

残業代は歩合制であってももらえます

営業職は会社の利益に大きくかかわる仕事であるため、歩合制(基本給+歩合給)であることが多いですよね。会社によっては完全歩合制、いわゆるフルコミッションで働く場合もあります。

歩合制は雇用契約なので残業代が認められますが、よく残業代を歩合給で相殺できると勘違いする経営者がいます。歩合制はあくまで歩合給によって給与の調整を測る制度です。

詳しい計算方法は後述します。

フルコミッションと偽装請負

フルコミッションの場合は基本給という概念が存在しません。よって、フルコミッションの営業マンは労働者の定義から外れます。

しかし、フルコミッション営業でありながら労働者と同じように「上司の指示に従わせる」「決まった時間に出社させる」などの実態があれば雇用とみなされ残業代の対象となります。

このようなものを偽装請負と呼びます。フルコミッションの営業は働く時間や場所に裁量が認められていることが条件となります。

「営業だからみなし労働」は過去の話。ルート営業はなおさら

「営業だからみなし労働時間制が適用される」と思っている方は今すぐその認識を変えてください。現在は、営業でなくても社外での労働にみなし労働時間制が適用されることはほぼありません。よって、外回りの時間について正確な残業代を取り戻せます。

事業外みなし労働時間制とは労働基準法において「労働時間を算定できない時は契約通りの労働時間として扱う」制度です。外回りのように働いていることが確認できない場合が対象となっていました。

社外の労働者を管理できる時代は20世紀から始まっている

労働時間を管理できない以上、自己申告の情報を信じるしかありません。そうであるならみなし労働時間で画一管理をするしかなかったのです。

しかし、ルート営業など外回りの仕事は一度会社に戻って労働時間を記録します。この時点で労働時間の管理ができているのです。もし、直行直帰である場合でも仕事の始まりと終わりについて連絡することができれば「労働時間を把握した」といえますよね。

つまり、電話を使えればみなし労働時間制の採用が難しく。ポケベルの連絡であってもみなし労働時間制を否定する証拠となります。

スマホの台数が総人口を越えている現代においてみなし労働時間制という逃げ道は通用しないのです。

営業職は残業代請求がむしろしやすい

営業職は外回りだからこそ残業代請求がしやすい側面を持っています。内勤と違い、外回りの仕事は逐一記録しなければ管理できないからです。そのため、業務日報を詳しく書かせている会社や営業事務がしっかりしている会社ほど残業の証拠が残っています。

歩合制の残業代請求はどうするのか

歩合制における残業代請求で壁になる「残業代として歩合給を払っている」という主張は否定されます。歩合制においては基本給と歩合給はそれぞれ別枠として扱いますから、残業代の計算が少々特殊になります。

歩合制の残業代はどう計算するのでしょうか。

歩合制の残業代は基本給と歩合給で異なります

残業代の計算は基本給と歩合給に分けてから計算します。
ここを間違えないよう注意してください。

基本給についての残業代

基本給とは所定労働時間について払われる給与です。そのため、基本給を所定労働時間(正社員の場合は160時間が多い)で割ると上乗せされる残業代が分かります

時間外手当がついている場合は残業代の25%を上乗せします。

歩合給についての残業代

歩合給は「働いた時間すべてに対して支払われる給与」と判例で決められています。
確かに、残業によって契約が得られた時もその分の歩合給に残業代が上乗せされるのは違和感があります。

よって、歩合給には残業代がつきません。

しかし、歩合給はれっきとした給与ですから25%の時間外手当がつきます。歩合給の時間外手当はこのように出します。

時間外手当の総額=歩合給÷働いた時間の合計×0.25

労働基準法は強行法規!契約書より強い力を持ちます

残業代の支払いが拒まれる場合として「みなし労働時間制を契約で合意した」「歩合給と残業代の相殺も契約書に書いてある」と主張されることが多々あります。

その主張は間違っています。

労働基準法は契約によって覆すことのできない法律で、労働基準法に反する条項が契約書に合った場合すべて無効となります。

このような性質を持つ法律を強行法規(強行規定)と呼びます。

強行法規の反対は任意法規

企業間の取引では法律の条文より契約の条項が優先されることもよくあります。これは争いになる法律が契約の優先を許すものだからです。

このような性質を持つ法律を任意法規(任意規定)といいます。

残業代の請求方法とその注意点

ルート営業のあなたは「みなし労働時間制」や「歩合給」を理由に残業代請求を否定される心配は無用です。残業の事実があるなら迷わず行動に移しましょう。

残業代請求は決して簡単ではありません。弁護士のように法律と実務に精通した人の協力が望ましいです。

残業代の請求方法

残業代の請求方法をまとめるとこのようになります。

  • 証拠をそろえる
  • 未払い残業代の請求をする
  • 和解交渉や訴訟などに移る

証拠をそろえる

残業代請求をするために最も大切なのが証拠です。証拠がなければ残業の事実を立証できません。

証拠となるものは勤怠を記録したデータです。社内に残っている場合は自分で抑えましょう。データとして存在するときは印刷や写真撮影などが有効です。

残業代が払われていないという証明である給与明細も欠かせません。

もし、証拠に自分がアクセスできない時は会社に開示するよう請求し、応じなければ証拠保全手続きによって開示してもらいます。

未払い残業代の請求をする

未払い残業代の請求は口頭でも可能ですが、証拠を残すために文書にして請求します。

文書を破棄された時の対策としておすすめなのが内容証明郵便です。内容証明郵便は「その郵便物を送りました」という証明を郵便局がしてくれるものです。

内容証明郵便の料金は一般書留に430円加算されます。

和解交渉や訴訟などに移る

残業代請求に会社が応じなければ弁護士を立てて和解交渉を行います。和解交渉で合意できなければ訴訟となりかねないです。

訴訟は費用や期間がかかります。残業代総額が訴訟に踏み切る決め手となります。

残業代請求の注意点

残業代請求をするうえではいくつかの注意点があります。

計算をしっかりすること

企業から受け取れるお金は残業代の他に時間外手当や休日手当、深夜・早朝手当などがあります。休日は土日という意味ではありませんし、深夜・早朝手当にも明確な決まりがあります。

計算を間違えると、手続きが面倒になります。
(労基法は強行法規なので和解契約を覆せますが…)

臨機応変に方法を選ぶ

残業代請求はやみくもに行動すればよいわけでもありません。いきなり証拠保全手続のような強い手段に出ると会社との関係を悪くしてしまいますし、手軽だからと労働基準監督署に訴えてもすぐに行動してもらえるとは限りません。

その方法のメリットとデメリットをよく判断しましょう。

ちなみに、労働基準監督署へ訴えることは社員全員の残業代を支払わせられることや労働環境の改善が期待できることがメリットです。

消滅時効に気をつけよう

残業代請求の権利は民法にて2年間の消滅時効が定められています。消滅時効=権利が消滅するまでの時効で、「給与の支払いから2年」経つとその月の残業代を払ってもらえなくなります。

これまでの、そして今後の残業代を確保するために早めの行動が肝心です。

ルート営業だからと諦めず、残業代を取り戻すなら弁護士に相談を

法律用語で説明されるとあたかもそれを正しいように誤解するのは、しょうがないことです。だから、みなし労働時間制問題のように「法律は存在するけれど、解釈が全く正しくない」れいが多発します。

法律の解釈や実務処理について最も信頼すべきは、弁護士です。

経験の豊富な弁護士は残業代を正しく計算してくれるだけでなく最も多く、早く残業代を取り戻すために力を尽くしてくれます。

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