残業代請求を弁護士に無料相談しよう!弁護士費用はどの程度かかる?

2020年6月19日17,702 view

弁護士

未払い残業代がある場合、自分で請求するのは大変なので弁護士に依頼すべきですが、そうなると弁護士費用が心配です。そこで今回は、未払い残業代を請求するときの弁護士費用と、弁護士費用を安くする方法を解説します。

未払い残業代を弁護士に依頼すると、着手金や報酬金が発生します。任意交渉、労働審判、労働訴訟の各段階で費用が発生するので、それぞれの金額が安い弁護士を選ぶことやトータルの費用を抑えることがポイントです。無料相談を利用して、複数の事務所を比較してリーズナブルな弁護士を探しましょう。残業代請求を依頼するなら、労働問題に強い弁護士を選ぶことが重要です。

弁護士に相談したら、未払い残業代が請求できた
残業代を請求することができるのはどんな人?
1日8時間以上、週40時間以上働いている人
次の項目に当てはまる人は、すぐに弁護士に相談
  • サービス残業・休日出勤が多い
  • 年俸制・歩合制だから、残業代がない
  • 管理職だから残業代が出ない
  • 前職で残業していたが、残業代が出なかった
未払い残業代請求に強い弁護士を探す

未払い残業代を請求しよう

未払い残業代

自分にも未払い残業代があるのではないか?と思っている人はたくさんいることでしょう。でも、本当に返ってくるのだろうか?そのためには弁護士費用などもかかるのではないか?などといろいろな不安を抱えているかもしれません。

平成28年度だけでも9万人以上の労働者が、会社に残業代請求をして受けとっている

1,300以上もの企業が100万円を超える残業代を支払っており、その支払金額は99億円を超えています。

ただ、このような人も、はじめから知識が豊富で、残業代が返ってくると確信していたわけではありません。不安を抱えながら残業代請求に取り組み、成功を勝ち取っているのです。残業代を払ってもらえるかどうかは、一歩踏み出すかどうかだけの違いです。

未払い残業代は弁護士に依頼できる

弁護士

未払い残業代は、請求しなければ返ってきません。しかし、そう言われても不安を払拭できないのが実際のところでしょう。ここで助けてくれるのが弁護士です。

弁護士の中には積極的に残業代請求に取り組んでいる人も多い

弁護士に残業代請求を依頼したら、難しい手続きや会社との交渉などはすべて弁護士がしてくれますし、自分が矢面に立たなくて良いので、安心です。

また、残業代の計算も正確にしてもらえますし、証拠の集め方も教えてくれます。自分で対応していると、スムーズに進められずに対応が後手になって、結局満足に残業代を回収出来なくなってしまうので、残業代請求は弁護士に依頼すべきです。

気になるのが残業代請求にかかる弁護士費用

弁護士が対応すると、当然ですが弁護士費用がかかります。費用がかかると、残業代が返ってきても利益がなくなったり、場合によっては弁護士費用の方が高額になって足が出てしまったりすることが不安だという声も高いです。

そこで、以下では未払い残業代の弁護士費用について、詳しくご説明します。

残業代請求にかかる弁護士費用は弁護士事務所によって違う

弁護士費用

弁護士費用について、最初に知っておかなければならないことがあります。それは、弁護士費用は、依頼する弁護士事務所によって大きく異なることです。

スーパーなどで販売されている商品のような「定価」がなく、各弁護士事務所が自由に設定しています。そこで、同じ事件でも、どの弁護士に依頼するかによって大きく費用が変わってきます。安い事務所に依頼したら20万円で済むケースでも高い事務所に依頼したら60万円になることなどもざらにあります。

特に残業代請求の弁護士費用は、各事務所によって幅がある

そこで、残業代請求をするときに依頼する弁護士を決めるためには、残業代請求の「相場」を知って、その相場と比較してそれと同等かそれより安い弁護士を選ぶ必要があります。

弁護士費用を支払うタイミング

支払い

支払いのタイミングが重要!

弁護士費用について金額の次に重要なのは、弁護士費用を支払うタイミングです。弁護士に残業代請求などの手続を依頼すると、最終的には相手から支払いを受けられるはずです(ただし、敗訴しない限り)。そこで、相手から支払いを受けられた後なら、比較的費用の支払をしやすいものです。

これに対し、相手から支払いを受ける前に弁護士費用が発生すると、弁護士への支払が困難になることがあります。特に未払い残業代を請求するのは労働者であり、手元資金に余裕がないことも多いです。そこで、弁護士への依頼時や手続きの途中の段階で弁護士費用が発生してくる費用計算方法の事務所に依頼すると、支払が苦しくなってしまう可能性があります。

弁護士に依頼する前に弁護士費用について確認しておく

残業代請求を弁護士に依頼するなら、いつのタイミングでどのような費用がどれだけかかるのか、しっかりチェックすべきです。当初や途中の段階で費用の負担がない事務所は依頼者にとって楽になりますし、途中で追加の費用がどんどんかかる事務所に依頼すると、途中で依頼者が疲弊してしまいます。

残業代請求の流れと弁護士費用

それでは、未払い残業代を請求するとき、いつどのタイミングで弁護士費用が発生するのでしょうか?

以下では、残業代請求の流れと弁護士費用をご説明します。

残業代請求への着手で着手金がかかる

弁護士に残業代請求を依頼すると、弁護士が事件に取り組みます。このことを、「着手」と言います。具体的には、未払い残業代の計算から始めることが多いでしょう。そして、弁護士が何らかの事件に着手するときには、通常「着手金」という費用がかかります。ただ、着手金がかからない事務所もあります

内容証明郵便の送付で実費がかかる

未払い残業代の計算ができたら、今度は会社に対し、残業代の請求書を送付します。このとき、内容証明郵便という郵便を利用します。内容証明郵便とは、郵便局と差出人の手元にまったく同じ内容の文書が残るタイプの郵便です。これによって、相手に請求をしたという証拠を残すことができます。

内容証明郵便を送付してもらうときには、内容証明郵便の実費(郵便の費用)がかかります。だいたい1200~2,000円くらいです。

会社との残業代の任意交渉

会社にないよう証明郵便で請求書を送付したら、今度は支払についての話し合いをします。

会社が支払に応じるということであれば、金額を決定します。こちらとしては、全額を支払ってもらうのが筋ですが、会社からは早期和解のためなどと言われて減額を求められることもあります。その場合、こちらが減額に応じるかどうかなどを検討しなければなりません。

また、支払方法の問題もあります。会社に資金が豊富にあり、一括で支払える場合には問題になりませんが、余裕がない場合には分割払いを提案されることもあります。その場合には、こちらが相手の提示条件を受け入れるかどうかを検討しなければなりません。

任意交渉によってお互いが残業代の金額に合意ができたら、話合いによって解決します。このような、会社との任意交渉の段階では、別途弁護士費用が発生することはありません

未払い残業代支払いの合意成立で報酬金がかかる

会社との合意ができたら、未払い残業代支払いについての合意書を作成して、それに従って支払をしてもらいます。相手から支払いを受けることができたら、その時点で弁護士に対し「報酬金」を支払います。相手から支払われた残業代を弁護士が受けとり、その中から報酬金を精算して依頼者に返金してくれることが多いです。

労働審判申立てで着手金、実費がかかる

会社と任意交渉をしても合意ができない場合には、労働審判か労働訴訟をする必要があります。労働審判は、労働訴訟に比べて早期に問題を解決できますし、手続きも簡略化されていてスムーズなので、おすすめです。

弁護士に労働審判をしてもらうと、弁護士が労働審判申立書を作成して申立をします。すると、その時点で労働審判の「着手金」がかかります。

そして、労働審判をするときには、実費もかかります。実費は手続きそのものにかかる費用のことですが、労働審判の場合、収入印紙代と郵便切手が必要になります。収入印紙代は、請求する金額によって異なり、請求金額が上がると金額が上がります。

たとえば、100万円の請求をするなら5,000円、200万円の請求をするなら7,500円です。郵便切手は、手続きを行う裁判所によって費用が異なります。

和解成立または審判の受諾で報酬金がかかる

労働審判を利用すると、相手と話合いによって残業代についての解決ができることがあります。それが無理な場合でも、審判官に審判をしてもらうことにより、残業代についての解決方法を決めてもらうことができます。

このように、労働審判によって相手企業と和解ができた場合や、審判で金額が決まった場合には、やはり弁護士の報酬金が発生します。報酬金は、相手から支払いを受けたお金の中から支払をします。

労働訴訟(民事訴訟)で着手金と実費がかかる

労働審判をしても和解ができない場合や審判になっても当事者が納得しない場合には、労働訴訟をしなければなりません。すると、また新たに弁護士の着手金と実費が発生します。この着手金は、訴訟の着手金なので、相手との任意交渉や労働審判で着手金を支払っていたとしても、別途必要になります。

実費は、裁判所に納める印紙代と郵便切手です。訴訟の場合、労働審判より高額になり、100万円の請求なら1万円、200万円の請求なら1,5000円となります。郵便切手代は、利用する裁判所によって異なります。

判決または和解

労働訴訟によって判決が出た場合や、相手と和解した場合には、その内容にしたがって相手から未払い残業代の支払いを受けられた場合には、弁護士の報酬金が発生します。報酬金については、やはり相手から支払いを受けたお金の中から支払をします。

着手金は数回かかるが、報酬金は1回のみ

以上のように、未払い残業代を請求するときには、手続きの各タイミングでいろいろな費用がかかります。ここで押さえておきたいのは、「着手金は数回かかることがある」ことと「報酬金は1回だけかかる」ことです。

たとえば、相手との交渉、労働審判、労働訴訟をすると、それぞれ着手金がかかります。これに対し、報酬金は、相手から支払いを受けたタイミングの1回だけです。弁護士費用の考え方の中で、重要なポイントとなるので、覚えておきましょう。

未払い残業代を請求するなら弁護士に依頼しよう!

以上のように、未払い残業代を請求するとき、手続きの流れは複雑です。すんなり話合いで支払ってもらえることもありますが、そうはいかず、もめて労働審判や訴訟が必要になることも多いです。その場合、労働者が1人でスムーズに手続きを進めるのは困難ですから、効果的に残業代の回収をしたいなら、弁護士に依頼することがおすすめです。

自分で手続きすると、結局支払いを受けられず泣き寝入りしなければならないことになりがちなので、弁護士費用を支払っても、弁護士に依頼した方が得になります。

弁護士費用の項目は?

弁護士費用

次に、弁護士費用の項目について、説明します。既に出てきている項目もありますが、整理しておきましょう。

法律相談料

まずは法律相談料が必要です。法律相談料とは、当初に弁護士に未払い残業代の請求をするときにかかる費用です。ただ、最近では無料相談を実施している事務所も多くなっており、そのようなサービスを利用すると、法律相談料は不要になります。

着手金

弁護士費用の中でも金額が大きくなることが多いのが、着手金です。着手金は、弁護士が事件に着手するときにかかる費用です。それぞれの手続きに着手するときにかかるので、上記のように、任意交渉、労働審判、労働訴訟の各手続きの最初に発生し、支払う必要があります。

報酬金

弁護士費用において、着手金と同じくらい重要なのが報酬金です。報酬金は、弁護士に依頼して事件を解決できたときに発生する費用です。成功報酬金とも呼ばれます。報酬金の金額は、事件が解決された内容によって異なります。残業代請求の場合、相手企業から支払いを受けられたときに発生し、金額は、相手から回収できた金額が高ければ高いほど高額になります。

実費

実費は、事件の解決のために実際にかかる費用のことです。弁護士に依頼しなくてもかかる費用なので、厳密には弁護士費用とは異なりますが、弁護士に依頼すると実費を弁護士に渡すため、弁護士費用に含めて考えることが多いです。

残業代請求の実費は、内容証明郵便送付費用などの郵送費用、裁判所に納める印紙代、郵便切手代、裁判記録の謄写費用などです。

未払い残業代の弁護士費用の相場は?

弁護士費用

次に、未払い残業代の弁護士費用の相場を見てみましょう。

法律相談料

未払い残業代に限らず、弁護士の法律相談料の相場は30分5,000円

延長した場合には、同じレートで料金が加算されます。未払い残業代の相談の場合、1時間くらいかかることが多いので、1万円程度かかる計算になります。

ただ、無料相談を利用すると不要になるので、弁護士費用を節約したいなら無料相談できる弁護士を探す方法がおすすめです。

任意交渉の着手金

次に、任意交渉の着手金を見てみましょう。未払い残業代を請求するとき、まずは残業代を計算し、相手に内容証明郵便を送って交渉をしてもらいますが、そのときに発生する着手金です。これについては、相手に対する請求金額にもよりますが、だいたい5万円~10万円になることが多いです。請求金額の8%として、最低金額を10万円にする事務所も多いです。

たとえば、請求金額が150万円の場合、請求金額の8%の事務所なら着手金の金額は12万円となります。請求金額が100万円の場合、請求金額の8%は8万円ですが、最低金額が10万円なので着手金の金額は10万円となります。着手金を無料にしている事務所もあります。

労働審判の着手金

労働審判をするときにも、着手金がかかります。その相場は、だいたい10万円~20万円程度です。ただ、これについても請求金額の8%として、最低金額を10万円としている事務所が多いです。

また、任意交渉から引き続いて労働審判をする場合、労働審判の着手金を割り引いてくれる事務所もあります。たとえば、任意交渉の段階で10万円を支払っており、その後労働審判で20万円の着手金がかかるとしても、継続して依頼しているために労働審判の着手金を半額の10万円にしてもらえるケースなどがあります。その場合、任意交渉と労働審判の合計の着手金が20万円となります。

労働訴訟の着手金

次に、労働訴訟の着手金の相場を確認しましょう。労働訴訟の場合、着手金の相場は20万円~35万円くらいです。ただ、やはり請求金額の8%として、最低金額を10万円としている事務所も多いです。

報酬金

弁護士に依頼して残業代を無事に回収出来た場合には、報酬金が発生します。未払い残業代の報酬金の相場は、回収できた残業代の20%程度になっていることが多いですが、着手金無料の弁護士事務所では30%以上になることも普通です。また、相手から回収できた金額の16%となっている事務所もたくさんあります。

実費

次に、実費をご説明します。まず、内容証明郵便を発送する費用として、だいたい1,200円~2,000円くらいかかります。

労働審判を申し立てるときには、裁判所に支払う印紙代と郵便切手が必要

印紙代は、請求金額によっても変わりますが、だいたい2,000円~10,000円くらいです。相手に請求する金額が40万円なら2,000円、請求する金額が300万円なら10,000円となります。労働審判の郵便切手代はだいたい2,000円くらいです。

労働訴訟を提起するときにも印紙代と郵便切手代が必要です。印紙代は、請求金額によって変わりますが、だいたい4,000円~20,000円くらいです。請求金額が40万円なら4,000円、請求金額が300万円なら20,000円となります。

労働訴訟の印紙代は、労働審判の2倍の金額になります。労働訴訟の郵便切手代は、各地の裁判所によっても変わりますが、だいたい4,500円~6,600円くらいです。

旧報酬基準とそうでない事務所の比較

旧報酬基準

弁護士費用には、弁護士会の旧報酬基準というものがあります。多くの弁護士事務所はこれに従って費用の金額を計算しますが、最近ネット上で広告を出している事務所の多くはこれに従わず独自の基準を定めています。そこで以下では、旧報酬基準の事務所とそうでない事務所のどちらがお得になるのか、比較しましょう。

弁護士会の旧報酬基準とは?

まず、弁護士会の旧報酬基準とはどのようなものなのか、ご説明します。これは、以前に日本弁護士連合会が定めていた弁護士報酬の基準です。平成16年3月31日までは、すべての弁護士がこの報酬基準に従って弁護士費用を定めていました。そこで、その頃はどこの事務所に依頼しても同じ金額の弁護士費用がかかったのです。

ところが平成16年4月1日以降、この基準が廃止されたため、各弁護士事務所が自由に弁護士費用を定めることができるようになりました。よって、今は上記で説明したように、各弁護士事務所によっていろいろな弁護士費用の設定がなされています。

ただ、今でも多くの弁護士事務所が旧報酬基準に従っています。上記で説明した弁護士費用の相場の中にも、旧報酬基準による計算方法が含まれています。

旧報酬基準で計算する残業代請求の弁護士費用

それでは、旧報酬基準で弁護士費用を計算すると、どのくらいの金額になるのでしょうか?

この場合、比較的シンプルです。

着手金は請求金額の8%

ただし、最低金額は10万円となります。任意交渉の場合も労働審判の場合も労働審判の場合も同じ金額です。任意交渉などの場合、訴訟より減額されることはあります。

報酬金は、回収できた金額の16%

これについても、任意交渉、労働審判、労働訴訟の場合ですべて同じです。

旧報酬基準と独自の基準の比較

それでは、旧報酬基準とそれ以外の独自の基準を採用している事務所は、どちらがお得なのでしょうか?これについては、どの手続きによって解決するかで大きく異なるので、以下では手続きごとに金額を比較しましょう。

任意交渉の場合の弁護士費用

まず、任意交渉の場合を見てみます。任意交渉の場合、着手金は旧報酬基準なら請求金額の8%、最低金額が10万円です。これに対し、独自の基準を定めている場合、5万円~10万円です。そうなると、着手金は独自の基準の事務所の方が安いです。

報酬金は、旧報酬基準なら16%です。これに対し、独自の基準の事務所では20%くらいです。そうなると、独自の基準の事務所の方が高額になります。

以上のように、任意交渉の場合、着手金は独自の基準の事務所の方が安くなりますが、報酬金は旧報酬基準の事務所の方が安くなることが多いです。そこで、未払い残業代の請求を依頼する弁護士を選ぶときには、着手金と報酬金の費用全体を比較することが重要です。できれば「着手金も報酬金も安い」独自の基準の事務所を探せば、費用を抑えることができます。

労働審判の場合の弁護士費用

次に、労働審判の場合を見てみましょう。この場合、着手金は、旧報酬基準なら、請求金額の8%で最低金額10万円なので、同じです。独自の基準の事務所の場合、10万円~20万円程度が相場です。そうなると、請求金額によっては旧報酬基準の弁護士の方が安くなる可能性があります。

報酬金については、任意交渉の場合と同じで、旧報酬基準の方が安くなることが多いでしょう。

労働訴訟の場合の弁護士費用

最後に、労働訴訟をする場合について見てみましょう。この場合、旧報酬基準の事務所の場合には、請求金額の8%で最低金額10万円なので、同じです。これに対し、独自の基準を定めている場合、20万円~30万円程度です。そうなると、旧報酬基準の弁護士事務所の方が安くなることになります。

報酬金については、任意交渉の場合と同じで、旧報酬基準の方が安くなることが多いでしょう。このように、独自の基準の事務所は、労働訴訟になると、かえって高額になることがあるので、注意が必要です。

弁護士のホームページを見るとき、「着手金無料」とか「着手金5万円」などと書いてあって、いかにも安そうに思うこともありますが、これらは任意交渉に限った金額であり、実際に手続きを進めて労働審判や労働訴訟などになると、他の事務所に依頼した方が安くなることがあります。

残業代の任意交渉で終わるなら独自の基準がお得

以上をまとめると、会社との任意交渉で相手から未払い残業代を支払ってもらえるなら、着手金が安い独自の基準を採用している事務所を利用した方がお得になることが多いです。

相手の対応が良く、任意で回収できる可能性が高いなら、着手金の安い事務所に依頼する方がメリットがあります。

反対に、相手の態度が強硬で労働審判や労働訴訟が必要になりそうなケースでは、見かけの着手金の安さだけに惹かれて依頼すると、後に高額な費用がかかってしまうことがあります。未払い残業代の弁護士費用をお得に抑えるためには、どのような手続きが必要になるのかについても、合わせて検討する必要があります。

旧報酬基準の事務所はどのように費用を表示しているか?

旧報酬基準を採用する事務所は、ホームページ上で費用の説明をするとき、どのような表示をしているのでしょうか?この問題は、利用者が、ある事務所のサイトを見たときに、その事務所で旧報酬基準が使われていることがわかるのかと関わります。これについては、いくつかパターンがあります。

旧報酬基準に従います、と明記するパターン

1つ目は、「費用の計算方法については、旧弁護士会報酬基準に従っています」と書いてあるパターンです。この場合、利用者にも旧報酬基準を採用している事務所であることがわかりやすいです。

旧報酬基準の表を載せているパターン

2つ目は、具体的な旧報酬基準による費用計算の表を載せているパターンです。たとえば、請求金額300万円以下の場合の着手金は、8%…、などと細かい数字が書いてあります。この場合、必ずしも「これは旧報酬基準です」とは書いていないので、利用者は一見して旧報酬基準を使っている事務所かどうかがわかりません。

個別にお問い合わせください、と書いてあるパターン

3つ目は、「費用については、弁護士に個別にお問い合わせください」と書いてあるパターンです。独自の基準を採用する事務所でも、このような表示にすることはよくあります。弁護士費用の一部だけを載せて、「その他の細かい条件は弁護士にお問い合わせください」などと書いてあることも多いです。

この場合、利用者にとっては、その弁護士がどのような報酬基準を採用しているのかわかりません。実際に相談を受けて費用の説明を聞いた時点で、はじめて、旧報酬基準またはそれと異なる独自の基準を採用していることと、その内容がわかります。

旧報酬基準を一部取り入れていることも

今まで、旧報酬基準と独自の基準の比較をしてきましたが、実際には「独自の基準」と「旧報酬基準」に明確に別れているとは限りません。

たとえば、任意交渉の場合にのみ独自の基準を定めていて、労働審判や労働訴訟については旧報酬基準に従っている事務所も多いです。そのような事務所に依頼すると、任意交渉は独自の安い基準で費用計算をしてもらえて、労働審判や労働訴訟になると、やはり比較的安い旧報酬基準で計算してもらえるので、お得になることがあります。

弁護士費用を抑えるためには、任意交渉、労働審判、労働訴訟のどの段階でどのような費用が発生するのかを、個別に弁護士に確認しないといけません。

残業代請求を弁護士に依頼するタイミングで弁護士費用が変わる?

弁護士

次に、弁護士に依頼するタイミングによって弁護士費用が変わるのかどうかもご説明します。これについては、手続きが変わるかどうかによって異なります。

同じ手続きなら、いつ依頼しても費用は同じ

同じ手続きであれば、いつ依頼しても弁護士費用は同じです。たとえば、会社との任意交渉の場合を考えてみましょう。任意交渉の初めから弁護士に依頼しても、自分で任意交渉を開始して、しばらくしてから弁護士に依頼しても着手金の金額も報酬金の金額も同じです。合意直前に依頼しても、安くしてもらえることはありませんし、任意交渉が長びいても弁護士費用が上がることはありません。

そこで、同じ手続き内で比較する場合、弁護士に依頼するなら、早めに依頼する方が得になります。

手続きが変わると、着手金がかかる

これに対し、手続きが変わると話が変わってきます。たとえば、任意交渉の途中で弁護士に依頼すると任意交渉の弁護士費用がかかります。その後労働審判に移行したら、任意交渉の弁護士費用に足して労働審判の着手金がかかります。そこで、着手金が2回かかることになります。

もし、労働審判から依頼したら労働審判の費用のみで済みます。そこで、この場合、労働審判から依頼した方が金額が下がることになります。そうだとすると、労働審判から依頼した方が、得になるとも思えます。

当初から弁護士に依頼していたら、任意交渉で解決できたかも

ただ、任意交渉に失敗したのは自分の進め方がまずかったからであり、もし任意交渉から弁護士に依頼していたら、任意交渉で残業代を回収できた可能性もあります。その意味では、任意交渉の段階から弁護士に依頼した方が得になることもあります。

引き続いて依頼すると着手金を減額してもらえる事務所もある

また、手続きが引き続いて行われる場合、次の手続きの着手金を減額してもらえる事務所もあります。たとえば、任意交渉から引き続いて労働審判をする場合、労働審判の着手金を半額や3分の2にしてもらえたりします。そのような事務所に依頼すると、任意交渉から依頼した場合も労働審判から依頼した場合も、さほど費用の差が生まれないことも多いです。

そこで、残業代請求で弁護士に依頼するとき、必ずしも手続きが進んでから依頼した方が良い、ということにはならないので、注意しましょう。

できれば、弁護士に依頼するタイミングは、早ければ早いほど良いです。その方が的確な対処ができますし、自分ですべき作業も減って物理的にも精神的にも楽になります。

残業代請求は、お得に弁護士に依頼できる

以上のように、未払い残業代の弁護士費用の金額は、相場があるとは言ってもかなりの幅があります。相場は「金額の計算方法」なので、具体的なケースによってあてはめて計算してみると、同じ事務所でも得になることも損になることもあります。

また、手続きの各段階で着手金がかかるので、それぞれの着手金がいくらになるのか、いつ弁護士に依頼すべきかというタイミングの問題もあります。

そこで、未払い残業代の請求を依頼する弁護士を選ぶときには、手続き全体にかかる費用を考えて、自分のケースでもっともお得になる事務所を探すことが大切です。まずは正しく相場を知って、リーズナブルで良い弁護士を探しましょう。

着手金無料の弁護士は安いのか?

着手金無料

残業代請求を依頼できる弁護士の中には、着手金無料の弁護士が一定数います。無料というと、どうしても気になってしまうものですが、このような弁護士はお得なのでしょうか?以下で、詳しく見てみましょう。

着手金無料の弁護士とは

そもそも着手金無料の弁護士とはどのような弁護士なのでしょうか?これは、任意交渉その他の着手金がかからない弁護士です。

着手金がかからないため、当初の支払いが不要

そこで、手元にお金がなくても弁護士に対応を依頼することができます。また、着手金がかからないため、費用がかかるのは報酬金だけです。報酬金は、相手から回収できた金額に対してかかるものなので、相手から支払を受けられない場合には、費用が発生しません。そこで、回収に失敗したときにも、着手金の分、費用が持ち出しになることを避けることができます。

最近、ネット上の弁護士のホームページには「未払い残業代の着手金無料」とか「完全成功報酬制」「初期費用、当初費用0円」などと書いてあることがありますが、こうした事務所は着手金無料の事務所です。

報酬金が高いことがある

それでは、着手金無料の弁護士事務所は、費用が安くてお得なのでしょうか?実は、そうとも言えないことが多いです。弁護士費用は、着手金と報酬金のトータルで考える必要があります。

着手金が安くても報酬金が高ければ、結果的に費用が高額になります。実際、着手金無料の弁護士の場合、報酬金が高額に設定されていることが多いです。具体的には、だいたい30~35%となります。普通に着手金を支払う弁護士の場合、報酬金は16%~20%くらいになることが多いので、その方が全体としての費用が安くなることも多いです。

労働審判や労働訴訟には着手金がかかることも多い

着手金無料の弁護士は、任意交渉の着手金を無料にしていても、労働審判や労働訴訟については通常通り着手金を要求してくることが多いです。その場合の計算方法は、独自の基準を定めていることもありますし、旧報酬基準に従っていることもあります。

着手金無料の弁護士を利用するメリット

それでは、着手金無料の弁護士を利用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

手元に余裕がなくても弁護士に依頼できる

まず、当初の費用がかからないので、手元にお金がなくても弁護士に対応してもらえることです。労働者には経済的に余裕がなく、10万円などの費用を要求されると弁護士依頼を躊躇してしまうことが多いですが、当初が無料なら、依頼しやすいです。

弁護士費用で足が出る心配がない

完全成功報酬制なので、相手から残業代の回収ができなかった場合には、弁護士費用が発生しません

もし、当初に着手金が発生していたら、その後相手から支払いを受けられなくても着手金は返ってこないので、その分足が出てしまいます。これに対し、完全成功報酬金なら、利益があったときだけ支払が発生するので、気が楽です。

以上のように、着手金無料の弁護士にも一定の利用メリットがあります。

弁護士費用計算のモデルケース

計算

以下では、モデルケースを使って、いろいろな弁護士費用計算方法を比較してみましょう。

120万円の回収ができたケース

まずは、120万円の回収ができたケースを考えてみましょう。

この場合、着手金無料で報酬金30%の事務所なら、弁護士費用は36万円です。

これに対し、着手金が10万円、報酬金が20%の事務所なら、弁護士費用は10万円+24万円=34万円です。

旧報酬基準の場合、着手金は10万円(最低額)、報酬金は192,000円なので、合計は292,000円です。

この場合、旧報酬基準のケースが最も低額になります。

150万円の回収ができたケース

次に、150万円の回収ができたケースです。

この場合、着手金無料で報酬金が30%の事務所なら、弁護士費用は45万円です。

着手金が10万円、報酬金が20%の事務所なら、弁護士費用は40万円です。

旧報酬基準の事務所なら、着手金が12万円、報酬金が24万円なので、弁護士費用は36万円となります。

この場合も、旧報酬基準が最も低額になります。

70万円の回収ができたケース

最後に、70万円の回収ができたケースです。

この場合、着手金が無料で報酬金が30%の事務所なら、弁護士費用は21万円です。

着手金が10万円、報酬金が20%の事務所なら、弁護士費用は24万円です。

旧報酬基準の弁護士の場合、着手金は10万円、報酬金は112,000円なので、弁護士費用は212,000円です。

この場合、着手金無料の弁護士が最も低額になります。

以上のように、同じ事務所に依頼しても、費用が高くなる人と安くなる人がいます。弁護士事務所を選ぶときには、自分のケースで最も費用が安くなる事務所を探す必要があります。

弁護士費用の支払い方法は?

口座振り込み

次に、弁護士費用の支払い方法を説明します。

口座振り込みか現金支払いが多い

法律相談料については、弁護士に相談したときに現金で支払うことが普通です。

着手金については、弁護士の指定する口座に振り込み送金をするか、弁護士事務所に持参して現金で支払うのかのどちらかを選べることが多いです。これらの法律相談料や着手金支払の際、クレジットカードを利用できる事務所は少ないです。

報酬金については、相手の企業から支払いを受けたお金を弁護士が預かり、弁護士が費用を精算して依頼者に返金してくれます。報酬金は、回収金から天引きされて精算されるので、依頼者が自分の手元から支払うことは普通ありません。

労働問題特有の問題点とは

悩む男性

それでは、弁護士に未払い残業代の請求を依頼すべきなのでしょうか?

ここで理解しておきたいのは、労働問題に特有の難しさです。それは、相手企業と個人労働者の力の差の問題です。

未払い残業代を請求するとき、相手は巨大な企業

対して、請求者側は個人であり、一労働者に過ぎません。しかも、雇用者と被用者という関係があるため、そもそも労働者の方が立場が弱いです。相手企業の方が、資金力もありますし、法的な問題に対する対応力も高いです。顧問弁護士を雇っている企業もあります。たとえ相手が小さな事業所であっても、やはり一労働者よりは力が強くなります。

労働問題では、相手企業と労働者の力の差がどうしても大きな壁に

特に、退職前に残業代を請求するときには、会社での不利益な取扱や事実上の居心地の悪化などが心配で、手続きに踏み切れない人が非常に多いです。効果的に残業代を回収するためには、相手との力の差を解消する方法を考えることがもっともと言って良いほど重要なポイントとなります。

残業代請求を弁護士に依頼すべきか?

弁護士

それでは、残業代請求をするときには、費用を払ってでも弁護士に依頼すべきなのでしょうか?以下では、弁護士に依頼するメリットを見てみましょう。

相手との力の差を解消出来る

まず、弁護士に依頼する最も大きなメリットは、相手企業との力の差を解消できることです。残業代請求などの労働問題では、労働者と相手の知識、対応力、資金力、社会的地位、立場(雇用者か被用者か)などの力の差が大きく立ちはだかります。ここで弁護士に手続を依頼すると、弁護士が法律のプロとして、法的な知識を駆使して相手と交渉をしてくれます。

このことにより、労働者の知識不足が補われますし、弁護士なら、むしろ相手より法的問題に詳しいです。

また、弁護士がついていたら、相手も残業代請求をされたことを理由に不利益な取扱をすることはできませんし、もしそのようなことがあったら、弁護士に相手を訴えてもらうこともできるので、相手を牽制することが可能です。

このように、弁護士に依頼すると、労働問題解決にもっとも重要なポイントである「相手との力の差の解消」を実現することで、残業代請求の成功率が劇的にアップします。

法的な知識を使って正確に残業代計算ができる

残業代の請求をするときには、非常に複雑で難しい残業代の計算をしなければなりません。計算には法的な知識も必要です。自分では、正確に計算することが難しいですし、そもそも手間がかかって大変です。かといって計算を間違ってしまうと、相手からもそこを突っ込まれて話し合いをすすめることができません。

ここで弁護士に依頼すると、法的知識を駆使して正確に残業代を計算してくれるので、間違いがありません。また、依頼者は資料さえ渡せば、何もしなくても良くなるので非常に楽です。

残業代請求の手続きに詳しくノウハウがある

普通、残業代請求をする労働者は、初めて手続きすることが多いです。そうなると、何から手をつけて良いかわからないものですし、相手に請求した後も、対応方法がわからずスムーズにすすめることができません。これに対し、労働問題に強い弁護士は、残業代請求の手続や方法に詳しいです。豊富な実績があるため、ノウハウも蓄積されています。

そこで、状況に応じて的確な行動をとり、効率的に相手に残業代を支払わせるように話をすすめることができます。

交渉のプロが有利に話を進めてくれる

未払い残業代を請求するときには、相手との交渉が重要です。交渉段階で支払いを受けられたら、労働審判や労働訴訟をしなくて良くなるので、早期に残業代を回収できますし、費用も労力もかかりません。

ここで、弁護士は交渉のプロなので、交渉の主導権をとって、有利に話をすすめてくれるので、非常に役に立ちます。相手が大きな企業であっても、労働者側の弁護士が法的知識と交渉のノウハウを持って交渉に臨んできたら、相手より有利な立場になることも普通にできます。

労働審判や訴訟になっても安心

未払い残業代を請求するとき、交渉が決裂したら労働審判や労働訴訟をしなければなりません。このような裁判手続きを、労働者がひとりで行うのは不安だと感じる人が多いです。ここで、弁護士に対応を依頼していたら、引き続き裁判手続きに対応してもらえるので、安心です。具体的にどの手続きをとるのが適当かについても判断してもらえるので、労働者が「次に何をしたら良いのか」と考えて悩む必要もなくなり、安心です。

残業代回収の可能性が高くなる

残業代を請求するなら、回収ができなければ意味がありません。ここで弁護士に依頼すると、実際に残業代を回収出来る可能性が高くなります。弁護士が正確に残業代を計算し、有利に交渉を進めたり、法的な手続きをとったりすることで、相手からより高額な残業代を支払わせることが可能になるからです。

自分で請求手続きをしたら、相手から無視されたり、安く値切られたりして泣き寝入りすることになる場合でも、弁護士に依頼すると数十万円以上の残業代を回収できることもあります。

このように、実際に残業代回収の成功率が高くなることは、弁護士に手続きを依頼する最も大きなメリットの1つです。

残業代請求を弁護士に依頼するデメリット

費用

それでは、未払い残業代の請求を弁護士に依頼するとデメリットはあるのでしょうか?

あるとしたら、弁護士費用がかかることくらい

しかし、弁護士に依頼すると、相手企業との力の差を解消できて、効果的に残業代を回収できるのですから、支払う費用以上のメリットがあることは確かです。費用の持ち出しが心配であれば、着手金無料の弁護士を利用する方法もあります。未払い残業代を確実に回収したいなら、弁護士に依頼する必要があります。

残業代請求を依頼すべき弁護士とは?

相談

以上のように、未払い残業代を請求するなら弁護士に対応を依頼すべきですが、どのような弁護士でもよいというわけには行きません。以下では、残業代請求を依頼すべき弁護士について、ご説明します。

労働問題に強い弁護士

まず、労働問題に強い弁護士を探すことが重要です。弁護士の業務は、法律事務全般に及ぶため、非常に幅広いです。労働問題以外にも、借金問題、遺産問題、離婚問題、交通事故、企業法務、慰謝料請求などさまざまな分野の仕事をしています。その中でも、労働問題は特殊な分野であり、得意とする弁護士がある程度限られています。

労働問題が不得意な弁護士に残業代請求を依頼しても、ノウハウがないためにスムーズに手続きが進みませんし、効率的に未払い残業代を回収することもできません。

残業代請求を弁護士に依頼するなら、これまで労働問題を多数取り扱っており、普段から労働問題に積極的に取り組んでいる弁護士を探すべきです。

話をしっかり聞いてくれる弁護士

未払い残業代の請求を依頼するなら、話をしっかりと聞いてくれる弁護士を選ぶべきです。労働トラブルは、労働者の生活に直結する問題であり、非常にナイーブな側面を持っています。また、就業中に未払い残業代を請求する場合には、今後の会社との関係にも留意しなければなりません。手続きを進める中で、いろいろと弁護士に伝えたい事情なども発生する可能性があります。

ここで、依頼者の話を適当にしか聞かない弁護士に依頼すると、自分が希望していない方向に話が進められて、思わぬ不利益を受けることがあります。

たとえば、会社との関係をあまり悪化させたくないので、ある程度妥協しようとしているのに、弁護士の方針で、半ば無理矢理裁判に持ち込まれることもありますし、反対に、裁判をしてでもできるだけ多くの残業代を回収してほしいのに、弁護士の判断で相手と低い金額で和解させられることなどもあります。そのようなことのないよう、当初から信頼できる弁護士を選ぶことが大切です。

丁寧に説明してくれる弁護士

弁護士の資質として、説明が丁寧なことも重要です。未払い残業代を請求するときには、なぜその金額になったのか(計算方法)や、相手との交渉の経過、妥協すべき点やすべきでない点など、依頼者の知りたい情報がたくさんあります。

そこで、その都度丁寧に説明してくれる弁護士であれば、依頼者はストレスなしに手続きを進めることができます。説明が適当な弁護士に依頼すると、「今手続きがどうなっているのか」がわからず、非常に不安な思いをします。そこで、当初から丁寧にわかりやすく説明してくれる弁護士を選びましょう。

粘り強く交渉してくれる弁護士

労働問題では、相手との交渉が非常に重要です。交渉次第でいくらお金が返ってくるのかが決まるためです。そして、交渉を有利に進めるためには、粘り強さがものを言います。そこで、未払い残業代を請求する弁護士を選ぶときには、粘り強く交渉してくれる人をおすすめします。面倒になって早期に解決してしまおうとすると、低い金額で妥協せざるを得なくなります。

地道な作業をいとわない弁護士

残業代請求では、地道な作業が必要です。残業代計算がその最たるものですが、証拠の種類も多種多様で、その検討や評価も重要です。相手との交渉も地道に続けなければなりません。そこで、労働問題を依頼するなら、こうした地道な作業をいとわない人を選ぶ必要があります。

残業代請求の弁護士費用を抑える方法は?

電話

最後に、残業代請求を依頼するときの弁護士費用を抑える方法をご紹介します。

無料相談を利用する

まずは、無料相談を利用することをおすすめします。普通に弁護士に法律相談をすると、30分5,000円もの費用がかかります。1時間なら1万円です。無料相談を利用したら、この費用を節約できるので、影響は大きいです。ネット上で弁護士を検索したら多くの無料相談をしている事務所が見つかるので、そういった事務所の中から自分が気になる事務所に連絡を入れて、相談の申込みをしましょう。

全体にかかる費用を考える

残業代請求の弁護士費用は、各段階での着手金と報酬金のトータルで計算する必要があります。みかけの着手金の安さに惹かれて依頼しても、結局追加費用がかかったり報酬金が高額になったりして、別の事務所の方が安かった、ということもありえます。また、同じ事務所でも、ケースによってお得になることも損になることもあります。このことは、弁護士費用のモデルケースの例で、わかることでしょう。

そこで、「自分のケースで最も安くなる弁護士」を選ぶことが重要です。複数の弁護士事務所から見積もりをもらって、自分のケースでもっともお得になる事務所に依頼すると良いでしょう。

追加の着手金が低い事務所を選ぶ

残業代請求の弁護士費用を抑えるためには、追加着手金の存在に注意すべきです。当初は任意交渉の依頼をしても、その後労働審判や労働訴訟になると、その都度いちいち着手金がかかります。そこで、これらの費用がかからない事務所に依頼すると、非常に弁護士費用を安く抑えることができます。

追加の着手金の割引きがある事務所がおすすめ

ただ、追加の着手金が0という事務所は少ないです。当初の着手金が無料でも、労働審判や労働訴訟になると普通に着手金がかかることも多いです。そこで、未払い残業代の請求を依頼するなら、追加の着手金の割引きを受けられる事務所がおすすめです。

弁護士事務所の中には、任意交渉から引き続き労働審判や労働訴訟に移行した場合、労働審判から労働訴訟に移行した場合には、正規の着手金から割引きをしてもらえるところがあります。もちろん、任意交渉で解決できたら問題にならないのですが、そううまく解決できるとは限りません。

また、追加着手金の割引きについては、ホームページでも明記されていないことが多く、当初に確認しておかないとわからないことです。そこで、費用の見積もりをもらって弁護士費用を比較するとき、追加着手金がいくらになり、割引きがあるのかどうかについても確認しておきましょう。

複数の弁護士事務所の費用を比較する

弁護士費用をなるべく抑えたいなら、複数の弁護士事務所の費用を比較することが鉄則です。弁護士費用は自由化されているため、同じ事件でも依頼する弁護士によって大きく金額が異なります。ネットの弁護士事務所検索サービスを利用したら、自宅近くの労働問題に強い弁護士を探すことができるので、そのような事務所の中から気になる事務所をピックアップして、無料相談を受けて、すべての事務所から見積もりをもらい、比較検討して決めましょう。

ただ、このとき「安い」だけではなく、腕の良さや説明の丁寧さなど、弁護士の資質も重要です。安かろう悪かろうで、結局残業代を回収できなければ、お金を捨てているようなものです。弁護士を選ぶときには、単に安いだけではなく、費用の割にしっかり対応してくれる、リーズナブルな弁護士を選ぶことが重要です。

残業代請求は弁護士に依頼しよう!

以上のように、未払い残業代を請求したいとき、自分で手続きを進めようとしても難しいです。まず、残業代の計算の段階でつまづいてしまいますし、相手との交渉でも不利になります。弁護士費用を節約しようとして、結局支払いを受けられなくなったら泣き寝入りするしかありません。

そこで、効果的に未払い残業代の回収をしたいなら、労働問題に強い、腕の良い弁護士を探して対応を依頼することが必須です。弁護士を選ぶときには、着手金と報酬金のトータルで考えることと、自分のケースで費用が安くなる弁護士を見つけることが重要です。安いだけではなく、腕が良い弁護士を選ぶ必要もあります。残業代請求で足が出ることが心配な場合、着手金無料の弁護士を利用すると安心です。

今は多くの弁護士事務所が無料相談を実施しているので、今、未払い残業代を請求しようかどうか迷っているなら、まずは一度、労働問題に強い弁護士の無料相談を申し込んでみましょう。

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