残業代請求のタイミングは退職前・退職後どちらが良い?

2018年1月23日1,593 view

退職

サービス残業がつらくて会社の退職を考えているという時、気になるのは払ってもらえなかった残業代の請求だと思います。残業代を払ってもらうにはしっかりと証拠を集め法的な正当性を示す必要がありますが、残業代請求をするタイミングにも迷ってしまいますよね

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残業代を請求することができるのはどんな人?
1日8時間以上、週40時間以上働いている人
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  • 年俸制・歩合制だから、残業代がない
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残業代は退職前、退職後のどちらでも請求可能

残業代わって在職中でも請求できるのか不安な人、残業代を退職した後でも払ってもらえるのか悩んでいる人、どちらもご安心ください。残業代が本来支払うべきお金である以上退職前・退職後のどちらでも残業代請求が可能です。

そのうえで、退職前と退職後のどちらが良いのかを考えましょう。残業代を多く取り戻したいなら退職前の請求がおすすめです。

多くの人が退職後に残業代請求しているのはなぜ?

残業代請求をする多くの人は退職前ではなく退職後に行っています。これは戦略的な理由というよりは心情的な理由がかかわっています。それは職場にいづらくなることです。法的には正しいことであっても残業代請求をすることは企業にとっては嫌なことで、これまで一緒に働いていた社員にもよく思われません。

会社で嫌な思いをしたくないからいったん退職してから行動に移そうというわけです。
不利益な扱いへの対策としては「残業代請求をする前に転職先を見つけておくこと」や「余裕を持って仕事を探せるだけの貯蓄をしておくこと」が有効です。

残業代請求したうえで在職し続けるならそれなりの準備が必要

もちろん、正当な権利を行使した人間に不利益な扱いは許されませんが不当な人事や社内での冷遇などの見えづらい報復がされることもあります。

残業代請求をした後も在職し続けるなら、企業からの「不利益な扱い」を受けた証拠を集められるようボイスレコーダーなどを準備しておきます。

退職前の方が証拠を集めやすい

退職後に残業代請求をするメリットは心情にかかわるものが大きいです。しかし、残業代請求を正確に行う上では会社から離れることがデメリットとなります。

そもそも、残業代とは法で定められた時間よりも多く働いた給料や、割り増し手当のことを言います。

つまり残業代請求をするためには「残業をしたという証拠」がなくてはいけません。だから、社内に出入りできる退職前の方が残業代請求をしやすいのです。

残業代請求をするうえで必要な証拠とは?

残業をしたことを証明するためには実際に働いた記録が必要です。

例えば、タイムカードは出勤時間と退勤時間が記録されています。タイムカードの時間にウソがあると立証されなければ有力な証拠となります。

タイムカードを使っていない会社でも勤怠管理ソフトを使って労働時間を記録しているはずです。この勤怠管理のデータをも有力な証拠となります。

ただし、ブラック企業であればタイムカードなど勤怠管理の記録が正しくつけられていない場合があります。この時もあきらめずに使える証拠を集めましょう。

残業代の消滅時効は給与支払い日から起算される

退職前に残業代請求をしたい最大の理由が消滅時効の存在です。消滅時効とは「権利が消滅するまでの時効」という意味で、民法上は2年と定められています。つまり残業代を2年間請求しなければ時効によって払ってもらえなくなります。

給与は毎月支払われるものですから、残業代の時効も給与が支払われた日からカウントが始まります。つまり、月給制であれば1か月ごとに請求できる残業代が減っていきます。

退職前か退職後かという問題以上に「残業代が払われなくなってから2年以内」というポイントが残業代請求のタイミングとして重要です。

残業代の消滅時効はこのように作用する

分かりやすく説明するために、具体例を用います。

ある会社に勤めていた人が2009年2月から残業代を支払われていなかったとします。
残業代の消滅時効は2年ですから2011年1月までに請求をすればすべてを受け取る権利を持ちます。ところが2011年6月に残業代請求をした場合は消滅時効の問題で2009年5月以降の残業代しか請求できません。

2年経ってもあきらめないで!

では、退職した後の人や消滅時効が問題になる場合は本当に可能性がないのでしょうか?そうではありません。時効の効果を発生させるには「時効の援用」という手続きが必要で、企業が時効の援用をしていない場合は残業代を満額請求できます。

退職前の残業代請求としてできること

現在在職している場合は労働基準監督署への請求か和解交渉、あるいは裁判となります。裁判になると時間も弁護士費用もかかるためできるだけスマートに終わらせたいものです。

未払いの残業代は年利6%の遅延損害金を請求できます。

労働基準監督署は期待通りに動いてもらえると限らない

まず労働基準監督署に申告するという方法が考えられます。労働基準監督署は残業代の支払いにとどまらず労働環境の改善を指導してくれる機関ですが、逆に言えば指導以上の強制力を持たない点がデメリットです。

また、労働基準監督署に申告したからといってすぐに対応してもらえるとは限りませんし、労働者全員の残業代を支払勧告することから2年分を満額で支払わせることも少ないです。

和解交渉の場合は交渉力が決め手

企業と直接交渉をして残業代を払ってもらうことも考えられます。和解交渉のメリットは大事にならないこと、裁判より時間とお金を賭けずに決着をつけられることがあります。その一方で立場の強い企業に押し切られてしまうことや、本来より低い額の支払いを提示されることなどがデメリットとなります。

労働者は立場が弱いため、代わりに交渉してくれる弁護士や社会保険労務士を立てて初めて対等に渡り合えます。

在職しながらの裁判はいささか難しいです。

退職後の残業代請求としてできること

退職後はその会社の労働者でないため労働基準監督署への申告はできません。その代わり裁判所を用いて労働審判か民事訴訟という方法をとることが考えられます。

退職後は裁判という選択肢に出やすいため、残業代と同額である付加金を交渉材料に良い条件の和解を引き出すことができます。また、退職後は年利14.6%の遅延損害金も請求できます。

労働審判は早期解決を期待できるが

労働審判とは裁判官と労働審判員の立ち合いで当事者同士が話し合う制度です。いわば期限付きの和解交渉といえます。

具体的には、労働審判は3回まで行われて最後に当事者で合意するまたは裁判所が決定を言い渡して終わりとなります。

交渉が長引かないことはメリットですが、こちらの主張を反映しきれないことや付加金を得られないことがデメリットです。

民事訴訟は和解交渉と同時進行で行われる

民事訴訟とは一般的な裁判のことです。裁判は法と証拠に基づいた判決がされるため正当な残業代を受け取りやすくなります。しかし、弁護士費用がかかることや争いが長期化することが欠点です。

残業代の未払いがある以上、裁判は企業にとってもデメリットが大きいです。そのため、判決が出る前にお互いの良いところで手を打つための和解交渉が同時進行します。和解交渉については退職前と同様です。

退職後の残業代請求であっても証拠集めは在職中にすべき

裁判をして付加金を請求しやすいことや遅延損害金が増えることに着目すれば退職後の方が残業代請求のメリットが大きそうです。

しかし、前段で説明した通り退職後の残業代請求は証拠の集めづらさや消滅時効がデメリットとなります。

退職後の残業代請求がおすすめといえるのは「在職中からしっかり証拠を集め、消滅時効でなくなる残業代が少ない時」に限られます。

残業代請求を理由とした不利益な扱いは許されない

残業代請求のタイミングを考えるうえで気になるのが在職中の不利益な扱いです。特に退職金や給与が減らされるのではと不安に思っている方が多いですね。でも、ご安心ください。

残業代請求は未払いのものを請求しただけ

残業代請求はあくまで残業代の問題。給与や退職金とは全く関係ありません。仮に残業代の支払いを理由に退職金や給与を減らされた時はまた、それらが不当であるという請求が可能です。

そもそも、残業代は給与に上乗せされて支払われるものですから何かと相殺されるなんてありえません。CDやDVDの延滞料が次回のレンタル料と相殺されるくらいおかしな話です。

弁護士への相談は退職前がベター、退職後なら1日でも早い方が良い

残業代の請求は退職前でも退職後でも可能ですが、残業代請求を有利に行うなら証拠を集めやすい退職前から弁護士と打ち合わせたいです。退職後であっても弁護士の力を借りて動けることは多いですから1日でも早い相談がベターです。

サービス残業に悩んでいるなら会社の勤怠記録やメール履歴を携えて弁護士事務所へ足を運びましょう。働いた分の対価を得ることに負い目は不要です。

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