タイムカードがない職場でも残業代請求はできる?

2018年2月5日4,363 view

退社

残業代の未払いは労働基準法のもとで許されていませんが、残業を認める証拠がなければ残業代を払ってもらえません。残業代請求で最も有力な証拠となるものは始業・終業時間が記録されたタイムカードです。もし、タイムカードがない場合やタイムカードを定時で切らされていた場合はどうやって残業の事実を証明すればよいのでしょうか?

弁護士に相談したら、未払い残業代が請求できた
残業代を請求することができるのはどんな人?
1日8時間以上、週40時間以上働いている人
次の項目に当てはまる人は、すぐに弁護士に相談
  • サービス残業・休日出勤が多い
  • 年俸制・歩合制だから、残業代がない
  • 管理職だから残業代が出ない
  • 前職で残業していたが、残業代が出なかった
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タイムカードがない職場でも残業代請求は可能です

タイムカードがない場合でも残業代請求は可能です。労働基準法においては会社に記録されている時間でなく社員が実際に働いた時間で残業代が判断されます。残業の記録を残さないために定時でタイムカードを切らせる会社やそもそもタイムカードを使っていない会社もありますが「会社で働いていた」と証明できるような証拠を集めれば大丈夫です。

サービス残業での損失を考えてみよう

残業代が発生しないのに働かされていることを俗にサービス残業と言います。サービス残業がまかり通っている職場では提示を超えた分の残業代だけでなく割増賃金も払われていません。

1日8時間働いていると仮定すれば1か月の労働時間はおよそ170時間です。もし、サービス残業が毎月30時間あるとすればおよそ半年で1か月分の給与を無駄にしていることになります。月50時間であればおよそ3~4か月で月給ほどの損をします。

残業代の消滅時効は2年間。それ以前の残業代を取り戻すことはできませんが積もり積もったサービス残業による損失はとんでもない金額になっているかもしれないですね。

残業の証拠として重要なのは勤怠記録

タイムカードがない場合はそれに代わる勤怠記録があればOKです。そもそも、タイムカードを使わずに勤怠を記録している会社は少なくありませんし最近はパソコンを使った勤怠管理もできるようになっています。

「勤怠記録一般」という意味合いでタイムカードという言葉が使われているという理解で大丈夫です。会社が勤怠記録を保存していないかも…という心配も不要です。会社は勤怠記録を最低でも3年間保存する義務があります。

証拠保全手続が必要になることもあります

会社は勤怠記録を保管する義務を持っていますが、こちらから請求しても開示してくれない場合があります。あるいはペナルティを覚悟で処分することがあるかもしれません。会社が強硬にタイムカードの公開を拒んだときは裁判所に証拠保全の申し立てをする必要が出てきます。

在職中なら自分で証拠を確保できる

在職中なら自分で証拠を確保できます。タイムカードや勤怠記録帳はコピー機を使って印刷することやスマホで写真撮影することが有効です。在職中は会社への出会いが自由だから退職後に比べてタイムカードを確保しやすいです。

タイムカードがあっても会社が残業を否定することがある

逆にタイムカードがあっても残業を否定してくることがあります。よくあるパターンが「遊んでばかりで仕事をしていなかった」というものですが、具体的にサボっていた時間を会社が立証できない限りタイムカード通りに勤怠記録が認められます。

逆に言えば暇だからとPCゲームやサイト閲覧をしていた場合はその記録をもとにタイムカードの勤務時間が認められなくなります。自業自得な例としては、残業時間を使って独立準備をしていたことを理由に残業代が認められなかったものがあります。

タイムカード以外の勤怠記録の証明になるもの

タイムカードやその代わりになるものがない場合や、タイムカードの時間が実際の終業時間より早く記録されている場合も諦めないでください。裁判では勤務の実態が争点となるためあの手この手で仕事をしていた事実を証明します。

タイムカードがないときに使える証拠や根拠となる判例は弁護士が詳しく知っています。ここではその一部を紹介いたします。

業務日報や勤怠データ

業務日報がある場合は業務日報が有力な証拠になります。業務日報は具体的にどのような仕事をしたかが書かれているうえ、会社が業務日報の内容を認めているからです。もし、業務日報の中身が嘘だというならばそのまま保管していることがおかしいですよね。

勤怠記録をデータで保管している場合も有力な証拠にできます。直行直帰で会社に連絡した記録も証拠となります。外回りの多い営業職で「みなし残業」がよく問題となりますが、携帯電話が普及した現代はどこでも勤怠管理が可能ですからみなし残業はほぼ認められません。

勤怠していた事実を示す証拠は会社が認めていたかどうかが争点になりやすいです。

データは印刷かスクリーンショットでもOK

パソコンに保管されているものは印刷やスクリーンショットでの保管が可能です。スクリーンショットはUSBを持ち込めばメールを使わずに保管できます。スマホで画面を撮影した場合も証拠として認められます。

メール履歴

メール履歴があるということはその時間まで仕事をしていることを意味します。メールの送信履歴や開封履歴は本人しかつけられません。しかし、メールをスマホで確認できる場合は社外でメールのやり取りをしたと文句をつけられる場合があります。

できれば、このような文面が望ましいです。

  • 上司から残業を命じられた
  • 具体的な仕事の内容が書かれている
  • 仕事終了時間が明確である

残業が上司から命じられていることは「自発的な残業だった」という主張への対抗になります。具体的な仕事の内容が書かれていることは「仕事をせずに会社でダラダラしていた」という主張を退けます。仕事終了時間が明確であることは「仕事は残業後すぐに終わっていた」と言われた時の対策です。

残業代は分単位で計算されますから少しでも確実な証拠を集めてください。

具体的な文面は「〇〇さんから命じられた△△という仕事を□時☆分に終わりました」というものです。

メールと合わせて証拠にしたいもの

メールと合わせて証拠にしたいのは仕事に付随する記録です。例えば書類の受領記録があるということはその時間に仕事をしていた事実を補強します。何か買い物をしたときも領収証が発行されますから残業代の証拠になります。

タイムカードでない証拠の場合は時間だけでなく残業の内容が分かるものなら信憑性が高まります。

パソコンのログイン履歴

パソコンをしているからと言ってメールをするとは限りません。むしろ事務作業ばかりの時はメールを送る必要がないです。パソコンで仕事はしたがメール履歴がないときはパソコンのログイン履歴が証拠になります。

特に、パソコンでの仕事を1日中している人や残業内容がパソコンで使う仕事しかない場合はパソコンのログイン履歴がそのまま退勤時間として扱われるのが相当です。普段パソコンを使わない人が偶然パソコンを使っていた場合はパソコンを仕事で使ったことを証明したほうが良いです。

GPS履歴

最近はスマホで位置情報が分かる時代になりました。残業の証拠とまでは言えませんがGPSの履歴やSNSの履歴、防犯カメラの記録などは会社にいた記録として証明できます。

GPS履歴から残業が認められた例としてミスタードーナツの過労死事件がありました。こちらは会社支給である携帯電話のGPS情報をもとに出退勤を記録していたもので、そのまま業務時間と見るのが相当と判断されました。

手帳のメモ、家族への帰宅メールが使えることも

手帳のメモや家族への帰宅メールも残業代の証拠に使えるかもしれません。あくまで可能性ですが、個人的であっても残業の記録を作っておきましょう。

証拠としての効力は他のものに比べて弱く他の証拠と総合的に判断する、他の証拠で判別できない残業時間の判断材料にするというレベルです。

書類が無い場合は家族や同僚の証言が役立ちます。一緒に戦ってくれる人がいるならぜひ協力してもらいましょう。

タイムカードがなくても諦める必要なし!残業代請求は弁護士に相談

残業代請求は正当な権利なのに、タイムカードがなくて諦めてしまうのはやりきれません。こちらで解説したようにタイムカードが無くても残業代請求は可能です。証拠に使えそうなものは手当たり次第確保して、証拠としての妥当性を弁護士に判断してもらうのが確実です。

タイムカードを付けていないと不利益を受けている本人でさえ残業代についての関心が薄れていきます。実際に受け取れる金額を知って驚く労働者も少なくありません。

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