役職手当をもらっている管理職は残業代がもらえない?

2018年1月23日2,464 view

役職手当に残業代が入っている、役職手当をもらっている人は管理監督者だから残業代を払わなくていい。こんな理由で残業代請求に困っていませんか?それが本当だとしても同じように働いている人が役職の高さだけで残業代がもらえなくなるのはおかしな話です。こちらでは管理職と管理監督者の違い、残業代請求の可否をわかりやすく説明します。

弁護士に相談したら、未払い残業代が請求できた
残業代を請求することができるのはどんな人?
1日8時間以上、週40時間以上働いている人
次の項目に当てはまる人は、すぐに弁護士に相談
  • サービス残業・休日出勤が多い
  • 年俸制・歩合制だから、残業代がない
  • 管理職だから残業代が出ない
  • 前職で残業していたが、残業代が出なかった
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役職手当を理由に残業代は否定されません

役職手当を理由に残業代を請求立場にあると言われた方はご安心ください。
会社は役職手当を理由に残業代支払を断ることができません。

よって、役職手当をもらっている人でも残業代請求が可能です。

役職手当をもらっているせいで残業代をもらえなくなった人、昇進をしてから残業代がつかなくなった人はすぐに残業代請求の準備をしてください。

労働基準法は労働の実態で判断します

そもそも、同じように働いているのにどうして残業代が支払われなくなるのか?その理由は労働基準法の曲解と悪用です。労働基準法においては労働者には原則として残業代を支払わなければいけないのですが、管理監督者という特殊な立場にあたる人は残業代ところか労働時間による制限がありません。

この「管理監督者」という響きが部下を管理する役職の人という誤解をさせることから役職手当を支払う=管理監督者、昇進させた=残業代を支払わなくていいという詭弁を押し付けるケースが多発しています。

悪質な名ばかり管理職問題も受け入れないように

特に悪質なのが名ばかり管理職問題です。この問題はただ残業代を支払わないために実体のないポストを作って、労働者を搾取するもので、昇給はなく、仕事内容の変化もほとんどありません。権限が代わることもないでしょう。

このように管理職=管理監督者を認めてしまえば残業代支払をいくらでも否定できてしまいます。これはあまりに不公平ですね。

管理職でも残業代をもらえる理由

役職手当をもらっている管理職だから残業代がもらえないという理論は、法律に詳しくない人から見てもおかしいはずです。いったい何が間違っているのでしょうか?

実は管理監督者と管理職という言葉の意味は天と地ほどの差があります。

この違いが分かればたとえあなたが部長クラスでも残業代の対象となりえることが分かります。主任や係長、課長クラスならほぼ間違いなく残業代が出ます。

管理監督者は相当の高いポストに限られる

管理監督者は会社全体の管理監督にかかわる人です。ただ自分の部署や数人の部下を管理するだけでは管理監督者と言えません。飲食店でも管理監督者の定義を巡ってもめますが店長でも管理監督者に該当しない例が多々あります。

具体的な定義は判例によります。基本的にはこのような理解で問題ありません。

経営に参画し、高いポストにある

管理監督者は経営に参画できるくらいの人に限られます。社内でも本当に高いポストだけですから、部長クラスでも管理監督者と言えない例が良くあります。

経営判断をするほかは人事の決定権を持っていることや労務管理における権限が強いことなどが条件となります。

高い収入を支払われている

管理監督者は役職のポストも収入も社内でトップクラスであることが条件です。仕事ばかり多くて収入が社員並みであればこちらも管理監督者とは言えません

管理監督者に支払われる給与はそうでない社員と明確な差がついています。

労働時間に裁量がある

管理監督者は労働時間を自分で決められます。それどころか出退勤が自由です。労働時間に拘束されないとは「際限なく働かせられる」意味ではありません。

ただし、管理監督者は「労働時間を固定できない業務を抱えている」ため他の社員よりむしろハードです。

管理職が管理監督者でない理由のおさらい

管理監督者の定義を見ると、明らかに普通の管理職と違うことが分かります。管理職だからと言って残業代請求をあきらめないでください。

ここに改めて管理職と管理監督者の違いを紹介します。

管理職は経営・人事にかかわる権限を持っていない

管理職はいくら役職があるといっても経営や人事の決定にかかわれるほどの力を持っていないません。人事部であっても最終決定者とは違います。。

収入はあくまで社員と言える範囲

収入は昇進によって高くなりますが、それでも一般的な会社員と言えるレベルです。つまり、平均より高収入というレベルではとてもで管理監督者と言えません。

管理職は普通に出勤して、普通に退勤する

管理職になったからと言って勤怠管理がなくなるわけではありません。ここが管理監督者との最も大きな違いです。

役員報酬をもらっている場合は残業代をもらえないのか?

役職手当をもらっているからと言って管理監督者と言えないことはわかりましたね。では、役員報酬をもらっている場合はどうでしょう。これは一概に結論を出せません。

取締役はそもそも労働者でありませんが、会社法で定められていない形で役員を決める場合もあります。また、取締役でありながら会社で働いている場合もあります。

よって、個別の事案を見て、働き方の実態で残業代請求の可否が決まります。

役職手当で残業代は相殺されるのか?

「残業代が役職手当に含まれている」と言われた場合も残業代請求をあきらめる必要はありません。

なぜならこの2つの理由で残業代としての役職手当支払いが認められていないからです。

  • 残業代でない名目での残業代支払い
  • 残業時間に基づかない残業代支払い

まず、残業代でない名目と言えば役職手当や賞与、その他各種手当が考えられます。寸志という形にしても残業代の代わりにできません。したがって役職手当とは別に残業代を請求できます。

次に、残業時間に基づかない残業代の支払いは認められていません。そもそも残業代は働いた時間に応じて支払うものですから固定賃金で契約すること自体おかしな話です。

その他、そもそも最低賃金に満たない基本給しかもらっていない場合は役職手当とは別に基本給の補填がされます。

役職手当での残業代支払が認められる場合

残業代は実際に仕事をするまで計算できないため、固定賃金での契約ができません。しかし、あらかじめ残業時間が予測できるなら「〇〇時間までの残業代を含む」という形で役職手当を決めることは可能です。このような規定は契約書や就業規則に書かれています。

これなら、固定された時間に対して固定された残業代を含んでいるわけです。

残業代請求をする場合は残業が役職手当に決められた以上に発生していることを証明しその分の残業代+割増賃金を請求します。

休日手当や深夜・早朝手当も役職手当に含めることができますがこちらも同様に役職手当で決められた時間を越えた場合は上乗せで請求できます。

残業代を取り戻すためには勤怠記録と契約書が大切

残業代を取り戻すためには残業代支払の請求をします。残業代を正しく請求するためには証拠をしっかり集めなければいけません。

役職手当の中身は契約書でわかる

役職手当がどのような内容だったのかは雇用契約書に書かれています。雇用契約書をどう解釈しても「残業代が一部含まれると言えない」なら全額の請求が可能です。残業代を含むとしか書かれていない場合はむしろその条文の否定ができるかもしれません。

手当についての詳しい内容は就業規則に書かれているため就業規則の参照も忘れないでください。

給与明細も大切です

役員報酬がどのように支払われていたのかは給与明細で分かります。場合によっては不当に役員手当を安くされていたことや、理不尽な減給が分かることもあります。

勤怠記録がなければメール記録などが使えます

役職手当をもらっているから、役職があるからと勤怠管理がおろそかにされている場合は最有力の証拠であるタイムカードで残業を証明できない場合があります。そのような場合でも会社にいて働いていたことを立証できれば交渉や訴訟を有利に運ぶことができます。

具体的にはメールの記録やパソコンのログイン履歴、自分でまとめていたメモ書きや会社内で撮影した写真、防犯カメラの映像などあの手この手で残業した事実を証明します。

残業代の計算は弁護士にお願いしよう

残業代の計算は基本給を時間給ベースにして行います。そこに割増賃金や遅延損害金などを上乗せします。この計算は複雑で役職手当の解釈が大いに関わってきます。残業代の請求漏れが出ないよう労働問題に強い弁護士に計算してもらうことがおすすめです。

役職手当を理由に残業代を否定された人も弁護士が力になります

法律用語というものは非常に複雑で管理職と管理監督者のように少しの違いで大きな差がみられるケースが良くあります。だからこそ、法律をめぐって争うときは素人だけで法解釈をするとあらぬ結論に行きついてしまいます。役職手当を理由に残業代を否定する動きもこの曖昧な法理解をついたものですが、法知識を備えた弁護士なら法のごまかしを見破ってくれます。

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