残業代込みの給料は合法?会社員が知っておくべき「残業代込み」の意味

2018年2月5日3,157 view

疑問

残業代込で給料が支払われている場合、それを理由に会社が残業代の支払いを拒むことがあります。確かに、残業代込の給与支払いは認められていますがいくら働いても給料に反映されないのはどこか不公平ですよね。実際に、残業代込で給与が支払われている場合でも残業代請求できたケースはたくさんあります。

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会社から「残業代は月給に込み」と説明されたら

残業代は基本給とは別で支払われるのが基本です。しかし、残業代込で月給が支払われている場合も少なくありません。もし、会社から残業代は月給に含まれていると説明されたら残業代請求の一切をあきらめなければいけないのでしょうか?

もし、そんなことを認めてしまえば「月給に残業代を含む」という1文を契約書に書くだけで無限のサービス残業が合法となってしまいます。

会社が残業代込で月給を支払っていると説明した場合でも、労働者は自分の残業代をしっかり計算して、正しく請求することが可能です。

ここからは残業代込みで月給を支払う雇用契約の合法性と請求するためのポイントを解説します。

残業代込み給料はそもそも合法?

残業代込みで月給を支払うことは合法なのでしょうか。そもそも、働いただけ上乗せされるはずの残業代があらかじめ決められていることに違和感を覚えますよね。

しかし、残業代をあらかじめ給与に含めることは認められています。

残業代込み給料自体に違法性はない

残業代を給料に含めてしまうことに違法性はありません。そのため、契約書に残業代込みと書かれているからその部分が無効になるとは限りません。これは月給制でも年俸制でも変わりませんし、「残業代」という名前とは別で支払っている場合も労働基準法をはじめとするルールを守ってさえいれば合法です。

残業代を基本給に組み込んでおくメリットは、会社がスムーズに給与計算できる点にあります。ところが悪質な会社は労働者に残業代を払わない言い訳にしています。

歩合給はそもそも残業代が含まれている

歩合給の場合も、残業代の有無がよく問題になります。労働基準法上完全歩合制は認められていませんが歩合制が原因で思ったより給料が上がらない人もいるでしょう。残念ながら歩合給は時間外労働を想定したうえでの給与なので歩合制の場合の残業代請求は割増賃金のみが対象となります。

「残業代込み」で給与を決めるときのルール

残業代込みの基本給が合法とされるのは「具体的な残業代が明記されているとき」だけです。そもそも残業代は労働基準法によって下限が決められていますから残業代及び割増賃金を基本給に含めるときも、労働基準法を守っているという証明をしなければいけません。

分かりやすく言えば基本給のうち「所定労働時間の給与」と「残業代」が明確に分かれていなければいけないのです。たとえ給与が高くても残業代となる部分が不明確であれば給与と別に残業代と割増賃金を支払わなければいけません。

つまり、残業代込みの給料で残業代を請求できるのはこのような場合です。

「残業代が基本給のうちいくら含まれているか」書かれていない

残業代の範囲が不明確である場合は、残業代や割増賃金を一切もらっていないものとして残業代請求が可能です。

残業代が明確でも法律で決められた残業代より少ない

残業代込みの契約が合法である場合は、契約で決められた残業代を超えた部分だけ請求が可能です。

残業代の根拠となる時間は書かれていても金額は書かれていない

残業代込みの給料について、残業時間しか書かれていない場合は割増賃金の請求ができる場合があります。残業時間が同じでもその実態によって割増賃金が変わる以上明確と言えませんね。

残業代の比率が高すぎる場合

残業代込みの給料だからと言っても残業代の比率があまりに高ければ問題です。月給制でも最低賃金を守らなければいけないからです。

残業時間に見合った残業代を払ってもらえない場合

残業代は実際の残業時間に合わせて支給されるものです。働いた時間に見合わない残業代しかもらっていなければ会社に請求してください。

未払いの残業代はこのように計算してください。

月給に含まれる残業代を確認

まず、月給に含まれる残業代を確認してください。月給に含まれる残業代は雇用契約書に書かれています。雇用契約書が手元にないときは就業規則を確認してください。

雇用契約書には含まれている残業代の金額と、その対象となる割増賃金について書かれているはずです。たいていは時間外手当が含まれています。

残業代の時間も金額も分からない時はゼロとして計算します。

残業時間の概算から、未払いの残業代を試算する

残業代の根拠は残業時間です。働いた時間はタイムカードに記録されていますが、会社によってはタイムカードがない場合やタイムカードが改ざんされている場合もあるでしょう。このような場合でも、まずは覚えている限り残業時間を書き出します。

覚えている限りの残業時間から大まかな残業代を試算して、含まれている残業代との差を求めます。これで残業代請求の見通しがつきます。

残業時間の分かる証拠を集める

残業代を会社に認めさせるためには証拠が欠かせません、たとえ自分が残業したことを覚えていても相手にしらを切られたら進展が見込めないでしょう。

残業時間の分かる証拠としてタイムカードがない場合は業務日報やメールやパソコンの履歴などが役立ちます。物的証拠がなくても他人の証言や個人的なメモが証拠となるケースもありますからあきらめないでくさい。

確実と言える証拠がそろったら改めて残業代を計算します。

残業代の計算は弁護士にしてもらった方が良い

残業代の計算は弁護士にしてもらいましょう。自分で計算すると割増賃金の計算が難しく、残業代請求に使える証拠とそうでない証拠の分別ができません。労働問題に詳しい弁護士なら労働者の状況に合わせて正当な権利を使えるよう、力強くサポートしてくれます。いままで気に留めていなかったような部分まで残業代の対象となることがあります。

残業代を請求できるのは過去2年分まで

残業代が明らかになると、いかに自分が損をしていたのか気づくでしょう。できればすべて取り戻したいところですが、民法において取り戻せる残業代(などの債権)は権利が発生してから2年で消滅時効を迎えてしまします。つまり、2年より前に支払われた給与を取り戻すことは裁判でさえ不可能です。

内容証明郵便を使って時効の計算を止める

消滅時効は毎日カウントダウンしています。残業代請求を考えているなら早めの行動を心がけてください。請求する方法を迷っているなら、とにかく内容証明郵便で相手に請求書を送りましょう。内容証明郵便とは郵便局が発信した日付とその内容を残してくれるサービスで、消滅時効を止めるための「催告」をした証拠になります。

毎月の給与支払い日ごとにその2年前の未払い残業代の請求権を失います。年俸制の場合でも毎月の支払い日は決まっているはずです。

残業の実態で争った時の対処法

残業代を法律通り払わなければいけないことが明らかになった場合、会社の反論として考えられるのは自発的に残業をしたというものです。確かに自発的に残業をした場合は会社の指揮命令にないため残業代請求になりません。

ただ、自発的な残業とみなされるためには会社が残業を禁止した事実が必要です。事実上残業しなければ終わらない仕事を押し付けた場合や残業の事実を黙認していた場合、残業防止策を積極的にしていなかった場合は会社が残業を命じたことになります。

残業代込みの給料に疑問を持ったら弁護士に相談を

残業代込みの給料だから残業代をもらえない…と勘違いしたままではこれまで積み重なった未払い残業代を失ってしまいます。労働者は会社のために働く義務を持っていますが、その中身は労働基準法で厳しい制約がされています。生活に直結する賃金は目ざとく確認してください。今はあの手この手で残業代を浮かせようとする会社が多いですが、残業代込み給与の契約はその典型です。

働いた時間にしてはあまりに安い、残業が多い日も給与が増えない、割増賃金についてよく知らないという場合はすぐに弁護士へ相談してください。

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